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現場の声編「出張体験談 〜丁寧な状況説明で信頼につなげる〜」|ソフテックだより|株式会社ソフテック
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ソフテックだより 第494号(2026年3月18日発行)
現場の声編

「出張体験談 〜丁寧な状況説明で信頼につなげる〜」

1. はじめに

私は勤続17年目で本社事業所に勤務しています。plc案件を担当することが多く、ソフテックの中では出張が多い方です。 そこで、今回は以前お伺いした出張先での体験談を紹介したいと思います。 日頃から、トラブル時ほど丁寧な状況説明を心がけていますが、今回の出張ではその意識が特に活きた場面がありました。本記事では、その時の経験をもとに「丁寧な状況説明」の大切さをご紹介します。

2. 出張先の近隣環境

出張先は、自宅から移動して2時間弱ほどの地域でした。距離としては決して遠方ではありませんが、普段の業務環境を離れて現地に向かうと、気持ちの切り替えも含めて「出張らしさ」を改めて感じます。
特に印象的だったのは、某サッカーチームのスタジアムが近くにあることもあり、街の随所にチームカラーの気配が感じられた点です。訪問した日は試合日ではなかったため、スタジアム周辺は比較的落ち着いた雰囲気で、行き交う人も多くはありませんでした。だからこそ、試合のある日にはこの一帯が一気に賑わい、街の表情も大きく変わるのだろうな、と想像しながら現場へ向かいました。
スタジアムの近くを通る道は、初めてでも迷いにくいように整えられていて、人の流れる方向が自然に決まっている感じがしました。「試合がある日にはここが一気に“イベントモード”になるんだろうな」と想像しながら、今回はその熱気を横目に現場へ向かいました。

3. 現場の印象

現場となる工場は敷地が広く、長く稼働してきた歴史を感じさせる佇まいでした。今回は定期修繕日に合わせてソフトウェアの入れ替えを行う形でしたが、現場によっては設備を稼働させたまま入れ替え作業を進めるケースもあります。いずれの場合も、入れ替えは手順と影響範囲を意識しながら進める必要があり、毎回、緊張感を持って臨んでいます。
今回の現場では、ソフトウェアの入れ替えは操業中に実施できないため、定期修繕日に合わせて作業を行う形でした。定期修繕日なので時間の制約があります。運転再開の時刻も含めて全体スケジュールが決まっている以上、トラブルが起きても最終的には「操業可能な状態」にする必要があります。限られた時間の中で、状況を正確に把握し、関係者と認識をそろえながら対応していくような状況でした。

4. 事象発生:「画面の操作ができない」

ソフト変更後、現場で試運転を進めていたところ、オペレーターの方から「画面の操作ができない」という連絡が入りました。
「画面の操作ができない」と聞き、現場に伺うと、今回ソフト変更とは関係のない所での問題であり、すぐに今回の変更と何が関係しているのかわかりませんでした。ここで焦って手当たり次第に触ってしまうと、原因の切り分けが余計に難しくなります。まずは状況を整理するところから始めました。どの画面で、どんな操作ができないのか。通常時はどうなるのか。どうなるべきなのか。こうした情報をそろえたうえで原因を探ります。
最初に確認したのは、画面操作用ソフト側の状態です。エラー表示などがされていないか確認しましたが、特に問題はありませんでした。次に画面の操作条件を確認し、付属するplcソフトを確認していきます。このように情報を一つずつ確認しました。そのうえで、次にそのソフトが接続しているplc側、さらに関連する機器へと、範囲を少しずつ広げていきました。限られた時間の中でも、「いま分かっていること」と「まだ分かっていないこと」を整理しながら進める。ここが、後の判断のしやすさにつながります。

5. ソフトではなくネットワークが怪しい

調査を進める中で分かってきたのが、画面操作はplcと直接つながっているのではなく、「ネットワーク経由で別のネットワークのplcとインターフェースを取っている」という構成でした。
ソフトやplc単体の問題に見えても、実際は「間にある通信」が原因になっていることがあります。そこで視点をネットワーク側にも広げ、対象のネットワーク状態の確認をしました。すると、ネットワーク的につながっていないplcがあることが判明しました。ここからは現場で試せることを一つずつ実施します。ケーブルの抜き差し、電源の入り切りなど、基本の手順を順番に確認していきましたが、状況は改善しませんでした。
この時点で、「設定や配線の問題」というより、機器側の不具合が濃くなってきます。特に今回は、ソフト変更とは直接関係がなさそうに見えるネットワークユニットに疑いが向いていきました。

6. 丁寧な状況説明

ここまでの結果から、ソフト変更が直接の原因というよりも、ネットワークユニット側のハード故障の可能性が高いと判断しました。ただ、ここが難しいところで、現場の担当者から見ると「ソフトを入れ替えた直後に起きた不具合」なので、原因が別の機器だと言われても、すぐに納得しづらいのは自然なことです。さらに時間は刻々と過ぎていきます。
そこで意識したのは、「交換が必要です」と結論だけを押し出すのではなく、こちらがどこまで確認して、何が分かっていて、何が残っているのかを、順序立てて共有することでした。

  ・どこまで確認できていて、どこから先が機器交換しないと前進しないのか
  ・交換した場合に期待できる復旧の見込み
  ・交換しないまま時間だけが経過した場合のリスク

こうした整理を、できるだけ分かりやすく、誠実に説明する。トラブル時ほど、ここが効いてきます。
判断材料がきちんと伝わるように、説明の順番と根拠の出し方には特に気を配りました。
そのうえで「こちらとして試せることはすべて実施し、原因の切り分けとして交換が次の一手である」ことを丁寧にお伝えし、最終的に交換対応をご了承いただきました。説明の途中から、担当者の方も納得頂けている様子で、こちらの説明内容に合わせて次の確認ポイントを一緒に共有しながら進められるようになりました。最終的には、交換の判断についても納得いただき、「それなら交換で進めましょう」と合意を得ることができました。
そしてもう一つ、今回ならではの出来事がありました。実はこのネットワークユニット以外にも故障していた機器があり、結果として「機器が2台故障する」という、私自身も初めての経験になりました。機器が古かったこともあり、ある程度は仕方がない面もあります。
ただ、状況を振り返ると、今まで動いていたものが動かなくなるのはタイミング的にも説明しづらく、ソフト変更のタイミングで行った電源のOFF/ONがきっかけになったのではないかと考えています。
交換の結果、異常は解消し、画面操作も復旧しました。予定より時間はかかりましたが、操業再開に必要な状態にすることができ、まずは一安心でした。復旧確認が取れた瞬間は、現場の空気も少し和らぎ、こちらとしてもほっとしたのを覚えています。


図1.故障したplcのネットワーク構成

6. さいごに

今回の対応で改めて感じたのは、トラブル時こそ「切り分け」と「伝え方」がセットで大事だということです。現場では、見えている情報が人によって違います。だからこそ、こちらが確認した事実を整理して共有し、判断の根拠を誠実に伝える。そうした積み重ねが、結果として相手の安心感につながり、信頼を得ることにもつながっていくのだと思います。
その後もこの工場には定期的にお伺いしていますが、担当者の方から相談いただけるようになり、こちらの見立てや提案も受け止めていただきやすくなったと感じています。開始前や終了後のミーティング時に発言を求められたり、ソフトの動作や動き、ネットワーク構成や試験環境について話をしたりすることがありました。この一件を境に、担当者の方とのやりとりの中で「任せても大丈夫」という空気感が生まれ、信頼関係が一段深まったように感じています。
今回の現場は地道な切り分けと丁寧な説明が、信頼を積み上げるのだと実感した現場でした。今後も、「何をしたか」だけでなく「なぜそう判断したか」まで伝えられるように、信頼につながる丁寧な状況説明を心がけていきたいと思います。

(S.S.)


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